取引先や、採用に応募しようとしている人が、御社の名前をAIで調べる事が日常化しています。

「うちはホームページがないから、何も出てこないだろう」。そう思っている方は、一度試してみてください。おそらく、出てきます。

問題は、出てくるかどうかではありません。その中身です。

実際に試しました

1社目は、織物メーカーです。自社のホームページで、技術や製品を詳しく紹介している企業です。

AIは、事業の内容、得意としている織りの技術、海外ブランドとの取引実績まで説明しました。情報の出どころは、その会社の公式ホームページと、経済産業省が公開している資料でした。

2社目は、縫製工場です。調べた限り、自社のホームページは見つかりませんでした。

それでも、AIは答えました。創業した年、資本金、従業員の人数、代表者の名前、電話番号まで出てきました。

2社目で起きていたこととは?

3つあります。

住所が2つ出てきました。 登記されている住所と、電話帳サイトに載っている住所が違っていて、AIは「情報の更新時期の違いかもしれない」という注釈を付けていました。どちらが今の住所なのか、AIにも分かっていません。

実績を、求人票が説明していました。 大手アパレル製品の服を縫っているという情報が出てきたのですが、その出どころは、ハローワークに出ていた求人の文章でした。会社のいちばんの実績を、自社ではなく求人票が代わりに伝えている状態です。

社名が酷似した別の会社も回答として返ってきました。 今回は「これは別の会社の情報です」と区別されましたが、選択肢として出してきました。いつも正しい回答とは限らないのです。同じような名前の会社がある場合、どちらの情報なのかを見分ける手がかりは、自社が出している情報しかありません。

情報元は、企業情報のデータベース、電話帳サイトなど。つまり、どれもその会社が公式に書いたものではありません。

なぜこうなるのでしょうか?

AIは、会社のことを覚えているわけではありません。聞かれたその場でインターネット上を調べて、見つかった情報をつなぎ合わせて答えています。

ですから、自社から出している情報がなければ、他の誰かが書いた情報で埋まります。名簿サイトの古いデータ、何年か前の求人票、そのような説明が会社の情報として出てきてしまう恐れがあるのです。

書いていないことは、出てきません

もうひとつ分かったことがあります。

1社目は情報が整っている会社ですが、「最小ロットはいくつか」という質問には答えが出ませんでした。ホームページに書かれていないからです。AIは「公開されている情報からは確認できないので、断定は避けるべきです」と答えました。

一方で、「300メートルから対応します」と数字を載せている会社は、その数字ごと紹介されていました。

技術があるかどうかの話ではありません。書いてあるかどうかの話です。

一度、試してみてください

やり方は簡単です。ChatGPTなどに、御社の正式な社名を入れて「◯◯株式会社について教えてください」と聞くだけです。

見るところは3つあります。

  • 書かれている内容が合っているか
  • 古い情報が混ざっていないか
  • その情報はどこから来たものか

3つ目は、続けて「今の情報はどこから得たものですか」と聞くと教えてくれます。ここに自社のホームページが出てこなければ、御社の説明は他所の情報でできています。

正しく説明されたなら、いま手を入れる必要はありません。

間違っていた場合に直すのは、デザインではなく掲載内容です。そして一度直せばゴールというわけではありません。そのまま何年も置いてしまえば、また古い情報として説明されてしまいます。

まとめ

ホームページは、取引先に見てもらうためだけのものではなくなりつつあります。AIが会社を説明するときの、材料でもあります。

何も置かなければ、説明されないのではありません。正しい情報ではなく、他者が書いた情報で説明されてしまう恐れがあるのです。

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